Chapel Labyirinthe(2013)
 
京都の大学付属の礼拝堂のコンペ案。
「ラビラント」は分岐のない一本の道が、大きく遠回りしながら中心に到る。古代、クノッソス宮殿にみら れるが、ゴシックの教会建築においても床に描かれる形で度々そのモチーフが用いられている。そこで意味されることは、教会に入るにあたり長い距離を時間を かけて中心に到る間に思索を経て人が浄化されて神と対峙することにある。そこにはロマネスクの教会にあった重厚な空間による畏怖の対象としての神とそこに 身を置く人の関係とは対照的に、「ラビラント」を経て自らが神の創造物の一部である喜びに満ちた人と神との関係があり、それにゴシックの教会は呼応してい る。
この提案では聖堂には円、キリスト教文化センターには矩形のラビラントを建物の中央に配置し、建物の上部に到るスロープや回廊、東西を軸に展開する平面や 光を満たすアーチ群といった建築的ボキャブラリーで建物を展開させている。本来的な人と神の関係はもちろん、想定される多様な用途を介して人と人の関係を 捉え直すきっかけとなる建築となることを意図している。
住所;京都
用途:礼拝堂
*Simon Morvilleと共同設計